犬の皮膚は薄く、人間の3分の1ほどしか厚みがないといわれています。そのため、皮膚の赤みをはじめとした皮膚トラブルが多く見られます。原因は多岐にわたり、病気によるものもあれば、季節の変わり目や室内外の寒暖差など、環境の変化によって起こるものもあります。比較的飼い主様が気づきやすい症状であるため、日頃からよく観察して、早期発見・早期治療を行うことが重要です。
今回は犬の皮膚トラブルについて、原因や症状、自宅でできるケアなどをご紹介します。
■目次
1.皮膚の赤みを発見するポイント
2.考えられる主な原因
3.症状別の特徴と対処法
4.自宅でできるケア
5.予防対策
6.受診のタイミング
7.まとめ
皮膚の赤みを発見するポイント
皮膚の赤みはどこにでも現れる可能性があるものの、その中でも以下のような場所に症状が出やすい傾向があります。
・口周り
・目の周り
・耳
・脇の下
・足の付根
・指と指の間
・お腹
・肛門の周り
また、ひとくちに「赤み」といっても、点状に小さな赤みが出ることもあれば、面状に赤みが出たり、熱感を持っていたり、痒みや痛みを伴ったりと、さまざまな症状が見られます。
痒みがある場合には、体の一部分を執拗に舐める、床などにこすりつける、頭をよく振るといった行動の変化が見られることもあります。
考えられる主な原因
皮膚に赤みが見られる場合、以下のような疾患が原因である可能性が考えられます。
・アレルギー性皮膚炎
・外部寄生虫(ノミ、ダニなど)
・細菌・真菌感染
・接触性皮膚炎
また、季節や環境の変化による影響から皮膚が赤くなることもあり、例えば冬であればこたつや暖房による乾燥が原因となることもあります。
症状別の特徴と対処法
皮膚トラブルの注意点や対処法は、症状によってそれぞれ異なります。
<かゆみを伴う場合の対応>
かゆみは犬にとって大きなストレスであり、また、放置すると掻き壊しや舐め壊しをして悪化してしまうこともあります。そのため、かゆみを伴う場合は直ちに動物病院を受診し、かゆみを抑える薬を処方してもらいましょう。
<熱感がある場合の注意点>
皮膚炎が重症化すると、熱感を伴うことがあります。そのため、凍らせたペットボトルや保冷剤をタオルで巻いたものを使って冷やして応急処置を行い、早めに動物病院を受診しましょう。
<化膿している場合の処置>
化膿している場合は舐めたり噛んだりすることで悪化する可能性があるため、エリザベスカラーを装着しましょう。また、細菌感染を起こしている状態のため、消毒したり、抗生剤を投薬したりして治療する必要があるため、早めに動物病院を受診しましょう。
<乾燥による症状の場合の対策>
皮膚が乾燥している場合には、とにかく保湿をすることが大切です。保湿剤を使い、さらに加湿器などを使って部屋の湿度を上げましょう。
<アレルギーが疑われる場合の観察ポイント>
アレルギーが疑われる場合は、アレルゲンの原因を探るために、周囲の環境をよく観察してみてください。フードや食器を変更した後から皮膚トラブルが見られるようになった場合は元に戻し、よくわからない場合は掃除機をかける、布製品を洗濯する、空気清浄機を使って室内環境を清潔にする、食器やおもちゃを別の素材のものに変更するなどして、できる限りアレルギーの原因を取り除きましょう。
自宅でできるケア
皮膚を清潔に保つためには、日々のグルーミングと定期的なシャンプーが大切です。
ご自宅でシャンプーをする際は必ず最初にブラッシングを行い、愛犬の皮膚の状態に合ったシャンプー剤を使用しましょう。シャンプー剤は泡立ててから使用し、すすぎ残しがないようよく流してください。
シャンプー後は乾燥しやすいので保湿剤を使用し、半乾きにならないよう、長毛種であればタオルドライ後にドライヤーで、短毛種であればタオルドライでしっかりと乾かしましょう。
また、室内環境を整備することも重要です。温度は20度前後、湿度は50〜60%を目安に、エアコンや加湿器などを使って調整し、掃除や洗濯をこまめに行って室内をできるだけ清潔に保ちましょう。
万が一痒みが強く掻きむしったり執拗に舐めたり噛んだりしてしまう場合には、エリザベスカラーや洋服を活用して、できるだけ悪化しないよう工夫しましょう。
予防対策
皮膚を健やかに保つためには、飼い主様の日ごろのサポートが欠かせません。
<定期的なグルーミング>
長毛種の場合は毎日、短毛種の場合は2〜3日に1回を目安にブラッシングを行いましょう。また、月に1回を目安にシャンプーを行い、皮膚や被毛を清潔に保ちましょう。
<適切な室内環境の維持>
こまめに掃除をしたり布団やタオルを洗濯したりして、室内からアレルギーの原因を極力減らしましょう。
<食事による皮膚バリア機能のサポート>
皮膚や被毛を作るタンパク質や、炎症を抑えてくれるオメガ3系脂肪酸、皮膚や被毛を健やかに保つビタミンB群などが配合された食事をとることで、皮膚バリア機能をサポートすることができます。
<季節の変わり目における注意点>
ダブルコートの犬種では、季節の変わり目に換毛をします。そのため、いつもよりこまめにブラッシングをするようにしましょう。また、冬場は乾燥しやすいため、保湿剤を使うなどしてしっかり保湿しましょう。
<外部寄生虫の予防>
ノミやダニの感染は定期的に予防薬を投与することで予防できます。予防薬にはさまざまなタイプがあるため、かかりつけ医とよく相談しながら予防スケジュールを組むとよいでしょう。
受診のタイミング
皮膚が赤くなっている場合、一過性のものであれば経過観察をしていただいて問題ないことがほとんどです。しかし、赤みが引かない場合や他にも何か症状を伴う場合は病気が原因である可能性が考えられるため、仮に痒みがなくても早めに動物病院を受診しましょう。
また、すでに掻き壊しや舐め壊しを起こしている場合や化膿している場合はすぐに対応をしないとさらに悪化してしまう可能性があるため、速やかに動物病院を受診してください。
動物病院ではまず問診と身体検査を行い、皮膚の状態を確認します。その後、各種皮膚検査を行うことで原因を探ります。また、場合によっては血液検査を行うこともあります。
まとめ
犬の皮膚トラブルは比較的よく見られ、治療が遅れると慢性化したり重症化したりすることもあります。そのため、日頃から愛犬の皮膚の状態をよく観察し、なるべく早い段階で治療に繋げられるようにしましょう。
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