「最近、愛猫の後ろ足がふらつくようになった」
「同じ方向へぐるぐる回ることがある」
「首が少し傾いている気がする」
このような変化に気付いても、「高齢だから仕方がないのかな」「少し休めば元に戻るだろう」と様子を見てしまう飼い主様は少なくありません。
しかし、猫のふらつきや旋回運動、首が傾く症状(斜頸)は、脳や神経の病気が原因となっている場合があります。
猫は犬よりも体調の変化を隠す傾向があり、不調があっても普段どおりに過ごしているように見えることがあります。そのため、歩き方や行動に異変が表れた頃には、病気がある程度進行しているケースも少なくありません。
もちろん、ふらつきが見られたからといって、必ず神経の病気とは限りません。一方で、見た目だけで原因を判断することは難しく、自己判断で様子を見てしまうと適切な治療のタイミングを逃してしまう可能性もあります。
愛猫の歩き方や様子に「いつもと違う」と感じたら、早めに動物病院で原因を調べることが大切です。

■目次
1.猫の神経疾患で見られる代表的なサインとは?
2.ふらつきや旋回運動の原因として考えられる病気
3.どんな時に受診すべき?緊急性が高いサインと早めに相談したいサイン
4.神経疾患はどのような検査で診断するの?
5.当院の神経疾患診療|CT・MRIによる精密検査に対応しています
6.まとめ
猫の神経疾患で見られる代表的なサインとは?
神経の病気では、脳や脊髄、神経のどの部分に異常が起きているかによって、歩き方や行動、意識の状態などにさまざまな変化が表れます。
代表的な症状として、以下のようなものがあります。
・後ろ足がふらつく、まっすぐ歩けない
・同じ方向へぐるぐる回る(旋回運動)
・首が傾いたままになる(斜頸)
・呼びかけへの反応が鈍くなる
・急に倒れたり、手足を突っ張らせたりするなどのてんかん様発作が起こる
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これらの症状は、ひとつだけが表れるとは限りません。ふらつきと斜頸が同時に見られたり、旋回運動と意識レベルの低下を伴ったりすることもあります。
また、症状が一時的に落ち着いたとしても、病気そのものが改善したとは限りません。症状を繰り返す場合や徐々に悪化している場合には、早めに動物病院を受診することが大切です。
ふらつきや旋回運動の原因として考えられる病気
猫の神経疾患にはさまざまな種類があり、症状だけで原因を特定することはできません。
例えば、以下のような病気が原因となる場合があります。
・脳に腫瘍ができる病気
・脳や神経に炎症が起こる病気
・バランス感覚をつかさどる部位に異常が起こる病気
・神経が圧迫される病気
さらに、神経そのものの病気だけでなく、全身の病気が神経症状として表れるケースもあります。
例えば、血圧の異常や代謝性疾患などが原因となり、ふらつきや意識の変化が見られることもあります。
このように、「後ろ足がふらつく」「ぐるぐる回る」という同じ症状であっても、原因はさまざまです。そのため、症状だけを見て病気を判断したり、ご家庭で様子を見続けたりすることはおすすめできません。
原因によって治療方法や今後の見通しは大きく異なるため、適切な治療につなげるには精密検査によって原因を明らかにすることが重要です。
どんな時に受診すべき?緊急性が高いサインと早めに相談したいサイン
猫の神経疾患は、早期に診断して適切な治療を始めることで、治療の選択肢が広がる場合があります。そのため、「もう少し様子を見よう」と受診を先延ばしにしないことが大切です。
特に、以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早く動物病院を受診することが大切です。
<緊急性が高いケース>
・突然立てなくなった
・意識がもうろうとしている
・発作が続いている、または短時間に何度も繰り返している
・呼吸が荒く、反応が極端に悪い
・短時間で症状が急激に悪化している
このような症状は、命に関わる病気が隠れている可能性もあるため、速やかな受診が必要です。
一方で、以下のような症状も「緊急ではないから大丈夫」と自己判断せず、早めにご相談ください。
<早めの相談をおすすめするケース>
・ふらつきが続いている
・歩き方の違和感を繰り返している
・首の傾きが改善しない
・旋回運動が見られる
なお、受診前に症状が表れている様子をスマートフォンなどで動画撮影しておくと、診察時に状況を把握しやすくなり、診断の参考になる場合があります。
神経疾患はどのような検査で診断するの?
神経の病気は、見た目だけで原因を判断することが難しく、段階的に検査を進めながら原因を探っていきます。
まずは、飼い主様から症状が表れた時期や経過を詳しくお伺いし、身体検査や神経学的検査を行います。これにより、脳や脊髄、末梢神経など、どの部位に異常がある可能性が高いのかを推測します。
さらに、血液検査などで全身状態を確認し、神経症状の原因となる全身疾患がないかを調べます。
これらの検査だけでは原因を特定できない場合には、CT検査やMRI検査による画像診断を行うことがあります。
CT検査では頭蓋骨や骨の異常などを確認しやすく、MRI検査では脳や脊髄といった神経組織の状態をより詳しく評価できます。
猫のふらつきや旋回運動の原因を正確に把握するためには、このような画像診断が役立つ場合があります。
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当院の神経疾患診療|CT・MRIによる精密検査に対応しています
当院では、神経疾患が疑われる場合に、CT・MRIを用いた精密検査に対応しています。
画像診断では、1人の獣医師だけでなく、他の獣医師が見落としや間違いがないかを確認する体制を整えています。複数の視点から画像を評価し、より適切な診断につながるよう努めています。
また、CT検査やMRI検査は基本的に全身麻酔が必要な検査になります。
麻酔を行う際は、事前に全身状態を十分確認したうえで、体調に配慮しながら画像検査を行っています。
「原因が分からないまま様子を見ている」「ほかの動物病院では原因がはっきりしなかった」など、神経疾患が疑われる症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
まとめ
猫のふらつきや旋回運動、斜頸、てんかん様発作などは、脳や神経の病気が関係している可能性があります。
猫は不調を隠しやすいため、「いつもより歩き方がおかしい」「少し様子が違う」と感じた段階で受診することが、早期発見につながる場合があります。
原因によって必要な治療や今後の管理方法は大きく異なるため、ご自宅で判断せず、適切な検査によって原因を調べることが大切です。
当院では、CT・MRIを用いた精密検査に対応し、猫の神経疾患の診断に努めています。愛猫の歩き方や行動に気になる変化が見られた際は、お早めに当院までご相談ください。
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